rainy day-きみとの出逢い
「千夏、肩濡れてる」
「あ、傘忘れちゃってね、途中で買ったから」
「ちゃんと拭かねぇと、風邪引くぞ」
誠太はそういいながら、鞄から白いタオルを出して、あたしに投げる。
でもそのタオルは、所々汚れていて。
「誠太‥、これ」
「いっ…嫌なら使うな!洗っても取れねぇんだよ、泥がっ」
そんなのが、誠太らしくて。
なんだか嬉しくなって、タオルに顔を埋めた。
ふわりと誠太の匂いに包まれる。
「ありがとう、誠太」
「どいたま」
「で、きょうは?」
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