あずゆづ。2
***

「お、お風呂ありがとう…」


考えてみたらなにもお泊まり道具を持ってきてなかったので

ゆづくんの服やタオルを借りることになった。


「おお」


ゆづくんは冷蔵庫から取り出した麦茶を

コップにそそいでいるところだった。


「飲むか?」

「あ、うん」


ゆづくんはもう一つコップを取り出して、

同じくらいにそそいでそれを私に差し出してきた。

それを受け取ってこくんと一口飲めば

渇いた喉が一気に潤された。


―――ゴクッ…


「!」


ゆづくんも麦茶を流し込むと、喉が上下して音が鳴る。


「……」


なぜか恥ずかしくなった私は、そっと視線を下に落とした。



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