あずゆづ。2

視界が、大きく揺れた。


「好きだ」

「…………っ」


揺れたのは、涙のせいだ。


「お前が思ってるより何倍も」


切なく歪んだゆづくんの表情が

愛しくて愛しくて。


「……好きだ」

「うん…っ」


大好きなゆづくんの体をぎゅっと抱きしめた。


「………もう言わねえ」

「なんで~! 言ってよお!!」

「アホ」


ゆづくんが私から目を逸らして、

体を起こしてはそっと離れた。



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