あずゆづ。2
***

支度をしてゆづくんのアパートを出た私たち。

二人で並んで歩くのにはまだ慣れてなくて

ちょっとだけそわそわする。


「あー、眠ぃ」


くわあっと大きく口を開いて隣であくびをするゆづくんが可愛くて

私はくすっと笑ってしまった。


「ゆづくん、朝苦手なんだね」


それなのに逆方向にある私の家まで、

毎朝迎えに来てくれてたんだな~と思うと

嬉しくて胸がきゅっと締め付けられた。


「けど」

「?」


首を傾げてゴキゴキと音を鳴らしながら

ゆづくんは横目で私を見た。


「今日からはちょっとだけ長く寝てられるし」


これはこれでいいかもな


そう続けたゆづくんは、ふっと微笑んだ。



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