あずゆづ。2
「…あず」
「ん?」
そんなほほえましい光景をみていたとき、
真面目な顔してひよりが私の制服の袖をつかんできた。
「…本当に、命を狙われてるわけじゃないんでしょ?」
「え」
よく見れば、ひよりの表情は不安そうだった。
「私、本当はすごく心配してたんだよ?」
ちゃんと説明しなさいよ、バカ。
そう言って下を向いたひよりの手は、かすかに震えてて。
ああ本当に、心配かけちゃってたんだなって気づいた。
「ごめんねひより。ちゃんと説明するね」
震えるひよりの肩に手をそっと置くと
ひよりもこくんと力なくうなずいたのだった。
「ゆ~づ~~~」
「!?」
教室の外から、甘ったるい声が聞こえた。