あずゆづ。2

ふと、昨日保健室で言われた言葉を思い出した。


『……なら待ってろ』


私の問いに対して…下を向いて、切なげにそう呟いた。


「……」


少しゆづくんを見つめては、ぎゅっとゆづくんの制服を握りしめた。


「やだ」

「ああ!?」


てめえ自分の状況わかってんのか!?

くわっと牙をむいたゆづくんを、私はまっすぐ見つめた。


「…私だってゆづくんが好きだもん」


いつまでも守られてちゃだめだ。


この間、登校中にゆづくんが女子高生に囲まれて

全く動けなかった自分を思い出す。



『てめーもなんで黙ってんだよ』

『……てめぇの彼氏が絡まれてんだぞ』

『ぼーっとしてっと、取られんぞ、バカ梓』



「……あんな人に負けない」


私の顔を見てふうとため息をついたゆづくんは。


「……そーかよ」


そう言って微笑んだ。




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