あずゆづ。2
せっかくゆづくんが機転を利かせて証拠を作ってくれたのに
私が台無しにしてしまった。
ううう。
申し訳なさ過ぎて、ゆづくんの顔が見れなくて。
じっと下を向いていたときだった。
「……ま、」
いんじゃね?
そう言って頭にぽんっと乗せられたゆづくんの手。
「え?」
「正直、がつんときた」
「……?」
『私、ゆづくんのこと絶対離さないから!』
ゆづくんの携帯から、私の声が響く。
「……ちまちま相手のいいなりになってた自分がアホみてーだと思えた」
「……」
ゆづくんの表情も、なにかが吹っ切れたようにさわやかなものだった。