あずゆづ。2

「つーかなんでウチなんだよ」


机に頬杖をついて、私を見上げるゆづくん。


周りに生徒がいるこんな教室のど真ん中で

わざわざこの話を持ちかけたのは私の作戦であり

バレるのが怖くてむやみやたらに大声を出してこないだろうという考え。


しめしめ。


いい感じに話し合いのムードになってきたぞっ!


「だって…頼れる人がゆづくんしかいないし…

バイトとかしたことないし不安で…」


「……っはあああ~…」


それはそれは長いため息をついたゆづくん。


ああ、やっぱりダメか…!?


『お願いゆづくん!教室でおねだり大作戦!!』は失敗に終わってしまうのか…!?



ぎゅっと目を閉じたとき。



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