あずゆづ。2
***

「…はあ~…緊張する!!」


放課後。

ゆづくんと並んで『うさぎの小屋』に向かって歩みを進めていた。

胸に手を当てて大きく深呼吸をする私を見たゆづくんは鼻で笑う。


「てめえでも緊張すんだな」

「ゆづくん!? 私をなんだと思ってるの!?」


くすりと笑って前を見るゆづくんは、また少し身長が伸びた。

どこまで成長するのかなあ。

そして相変わらずいい筋肉をしていらっしゃる。


…おっといかん。

また鼻血を噴射してしまうところだった。


「おい」

「ハイ」

「何ぼさっとしてんだ」


着いたぞ


そう言われるまで気づかなかった。

だってゆづくんとその筋肉に見惚れていたんだもの???


私はごくりと唾を飲み込み、目の前の『うさぎの小屋』を見つめたのだった…。



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