あずゆづ。2
「おはよう梓ちゃん」

隣からかけられた声。

ふと隣を見ると、黒髪の整った顔の男子が私を見ていた。

優しくて頭もよくてイケメンな彼は山崎 悠太君。

クラスの王子的存在だ。

私とも気さくに話してくれる人で、『ゆうちゃん』と呼ばせてもらっている。


「あ、おはよう、ゆうちゃん」

「どうしたの? 元気ないけど」


相変わらず優しいゆうちゃん。

もう、その優しさの半分くらい、ゆづくんに分けてあげてよ…。

あ、いや、ゆづくんも優しいんだけどね?


「ゆづくんが私の名前全然呼んでくれなくて」

「あー…そういう話俺にするんだね」

「あ」


…というのも。

ゆづくんとお付き合いをする前に

この人に告白されているのだ。


いろいろ名悩んだ末に丁重にお断りさせていただき

今ではいいお友達…のはずなのですが。



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