あずゆづ。2

「ふおあっ!?」


勢いよく、私が座っていた椅子が後ろに動き出す。

見れば、心底機嫌の悪そうなゆづくんが

私の椅子の背もたれをつかんでいた。


「何するのゆづくん!!」


びっくりしたでしょ!と、立ち上がって抗議するも。


「何、二人でしゃべってんだ」

「……っ」


ゆづくんの表情は

何度も見てきた鬼の形相とは比にならないほどの

それはそれは恐ろしいダークな笑顔だった。


ゆづくんとゆうちゃんは、ひより曰く『犬猿の仲』らしい。


…どうしたら仲良くしてくれるのかなあなんて考えていたけど。


ひよりには、「あんたがいる限り無理だよ」と一蹴されてしまった。



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