あずゆづ。2
「…っはあーーー……」
まさかこんなにも
あんな奴にどっぷりハマっているとは思わなかった。
「……」
だいたい今朝だってそうだ。
俺が他の女に絡まれて、なに不安そうな顔してんだよ。
お前の彼氏が目の前で声かけられてんだぞ。
…奪い返しに来いよ。
ゆづくんは私のだって怒鳴れよ。
見せつけるようにキスの一つでもして見せろよ。
なに黙って突っ立ってんだよ。
……とか思って、やめた。
「……あいつがそんなこと、できるわけねーのに」
自分が想っている分だけ、想われたいと思うのは。
それは俺の、一方的なわがままだ。