あずゆづ。2
***
梓side

「う~…」


机に突っ伏す私に、ゆうちゃんが声をかけてくる。


「大丈夫?梓ちゃん」


ああ、なんて優しい声色なんだろう。

傷心中の私の心にじ~んと染み渡る優しさだよ…。


…だけどゆうちゃんじゃないの。


どんなに優しい声をかけられたって、

どうしたって、違うんだよ。


「……だいじょうぶ……」


自分の腕に、顔を埋める。

私が傍にいてほしくて、傍にいたい人はゆうちゃんじゃない。

他の誰でもない。


「ゆーづーくーんー………」


足をばたつかせて、その名前を弱々しく呼んだ。



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