あずゆづ。2
私に苦笑いでそう返した岡本君の視線を追って
後ろを振り返る。
すると、さっきまで屋上でサボると言っていた彼がなぜかここにいた。
「ゆづくん!!」
とたんに私の表情はぱあっと明るくなる。
「本物が目の前にいんだろーがアホ」
「写真もほしい!!!」
キリッとして言うも、ゆづくんはぴくぴくと顔を引きつらせた。
「アホ」
そして、一つため息をついたと思ったら、
私の頭にぽんっと、その大きな手を優しく乗せた。
「そんくらい、いつでも撮れるわ」
ほっぺが少し赤くなっているのは、どうやら気のせいではないみたいだった。
「ゆづがデレた!!」
そんなゆづくんを見て、ぶはっと噴き出した岡本君。