あずゆづ。2
「あんた、あれ以上の愛を求めるの?」
「あれ以上!?」
なに!?
カスとかブスとか言われるのが愛なの!?
冷たくされるのが愛なの!?
クワッと口を開けて大抗議。
「…それに、ゆづくんの口からまだ1回も聞いてない」
「なにを?まさかまだ名前で呼ばれたことないとか言わないよね」
「や、それはさすがにある。……2,3回だけど」
「少なっ」
でも私が言いたいのはそんなことじゃない!!
「ねえ!1回も好きって言ってくれないの、どう思う!?」
「…え?」
ひよりが一瞬固まった。
なんだその、『まだ言われてなかったの?』っていう反応は。
「もうすぐ付き合って一年経つのに、1回もなしだよ!?」
じわりと涙がたまる。
いきなり荒々しいキスをして、
こんな私でも求められてるんだって嬉しくなったのに
急に冷たくされたり、避けられたり。