あずゆづ。2
***

「……」


次の日の朝

いつも通り玄関を出ると

いつもの場所にいつも通りの格好で

眠そうにあくびをしながら待っててくれたゆづくんの姿がそこにあった。


それを見て、私はほっぺに空気を溜める。


なんで?

私のこと避けてるくせに

家、真逆なのに

なんで迎えに来てくれるの?


もやもやとした嫌な感情が、私の中に溢れてくる。


「お」

「っ」


ふと、ゆづくんと目が合った。

まずい。

目を合わせないでそのまま素通りしてやろうと思ったのに。


ゆづくんを見つけると目が離せなくなる自分の癖を恨んだ。



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