あずゆづ。2

あわててゆづくんを離すと、

むくりと起き上がって私を見つめた。


「……それでも分かれよ」

「理不尽っ!!」


なにそれ!!

子供のわがままじゃないんだから!!


そう言って大抗議すると。


「アホ」

「っ」

「そのうち分かんだろ」


額に落とされたキスは、今までのどれよりも優しかった。


「………ね、ゆづくん」

「あ?」


今なら、教えてくれるだろうか。


「……放課後、いつも何してるの?」

「………」


あれからゆづくんと一緒に帰る日はなくて。

放課後をゆづくんと過ごす日はなくて。



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