あずゆづ。2
「あず…」
心配そうなひより。
だけど私は、すぐには顔を上げることができなかった。
「あ、梓ちゃんいた!!」
「?」
教室のドアを開けて、ひょっこりと顔を出したクラスの女の子。
「今日日直だよね?先生が頼み事あるって探してたよ~!!」
「あ、うん…ありがとう」
いつまでも落ち込むな、私。
そう自分に言い聞かせ、そっと立ち上がった。
「あず、一緒に行こうか?」
ひよりが心配そうに声をかけてきて。
「大丈夫だよ」
私は振り返って、精一杯の笑顔でそう言った。