あずゆづ。2

教室を出て、ひとつため息をついた。

ぼーっとしながら職員室へ向かう。


『荒君ってさ、隣のクラスの子と最近仲良いらしいよ!!』


その言葉がずっと、私の頭の中をぐるぐるとループする。


嘘だ。

そんなこと絶対にないもん。


「おお、和泉」


職員室で、私の姿を見た先生は申し訳なさそうに近づいてきた。


「悪いな、プリントの整理を頼むの忘れてたよ」

「…?」

「第三会議室使ってもいいから、番号順に並べてホチキスでまとめてくれないか。鍵は開いてるぞ」

「……わかりました」


めんどくさいなあって思ったけど

ゆづくんが戻ってくるまでの時間つぶしになるなあって

そう思って、先生からプリントの山を受け取った。


「えーと…第三会議室…って言ってたよね」


重い足取りで、また階段を登って。


第三会議室を目指して、一人とぼとぼ歩いた。


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