あずゆづ。2
***
優樹side


「優樹くん♪」


高い声で俺の名前を呼んだそいつは、にこりと笑った。


俺は第三会議室の中に入り、

わざと大きな音を立ててドアを閉め、

最後に背中越しにガチャンと鍵をかける。


それを見て、目の前にいるそいつは満足そうにまた笑った。


「……」


俺はそいつとは目を合わさず、

扉から一番近い席にドカッと座った。

そして携帯を取り出して画面を見つめる。


これから2時間。


この空間でこいつと一緒にいなければならないんだ。



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