あずゆづ。2
放課後になって、教室を出るとき。
早く戻ってきてねと、あいつは笑った。
だけど、その笑顔が痛くて。
ズキズキと俺の胸に突き刺さる。
「………っ」
どうしようもない怒りをぶつけるように、
俺は目の前で化粧直しをしているそいつを睨んだ。
そんな俺に気づいた女は、ゆらりと近づいてくる。
「あれれ、いいのかなあ?」
「近寄んな死ねクソアマ」
しかし主導権を握っているのは紛れもなくこいつで。
小さく、舌打ちをした。
「そんな態度とって、いいと思ってるの?」
「……」
ギリッと、歯を食いしばった。