あずゆづ。2
女はひらりと携帯を見せてきた。
「言ったでしょ~?
優樹くんのかわいいかわいい梓ちゃんのストーカーをしてる人がいるって」
俺は顔を歪めて下を向いた。
「この間も優樹くんに見せたよねえ?
生活感満載のあんな写メやこんな写メ…
見せたよねえ?」
楽しそうに、耳元で呟くこいつに
殺意が芽生える。
「私は犯人を知ってるしやめさせることもできるけど……
そんな態度取るならこの写メSNSに投稿してありもしないこと書いちゃうよ?」
頭をよぎるのは。
学校の廊下を歩いている梓
教室の掃除をしている梓
休日に私服で買い物をしている梓
寝る前、窓際で目をこすっている梓
「…っ」
く そ が…ッ!!