あずゆづ。2
「う……っ、ふえ…」
嗚咽が漏れて、体の力が抜けて
膝が折れそうになったときだった。
「梓!!!」
切羽詰まった声で、私の名前が呼ばれた。
「……っ」
後ろを見なくてもわかる。
息づかいが荒い。
走ってきてくれたんだね。
私は呼吸を整えて、ゆっくり振り返る。
泣くな。
泣くな。
「ゆづくん」
…笑え、私。
震える口角を無理矢理上げて、ゆづくんの名前を呼んだ。
ゆづくんは私を見て、目を見開く。
もう、泣いてるって思ってたんでしょ。