あずゆづ。2

普段は鬼の形相で睨んでくるくせに

時折見せるこの意地悪い笑顔がツボだったりする。


もっと笑ってほしいなって思って


ゆづくんの脇腹をくすぐったり

テレビで見たお笑い芸人の真似をしたりするけど


「バーカ」


と、一蹴されて終わる。

なのに、こうして普通に話しているときによくこうして笑うから。


何がゆづくんを笑顔にさせてるのか、

未だにわからずにいた。


「……」


なんかでも、こうやって一緒に過ごせば過ごすほど


私ばっかりが好きなんじゃないかって

不安になる。


考えてみたらゆづくんから『好き』って言われたこと、ないし。


付き合ったときだって、半ば『察しろ』オーラ全開だったし。


< 9 / 167 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop