あずゆづ。2
普段は鬼の形相で睨んでくるくせに
時折見せるこの意地悪い笑顔がツボだったりする。
もっと笑ってほしいなって思って
ゆづくんの脇腹をくすぐったり
テレビで見たお笑い芸人の真似をしたりするけど
「バーカ」
と、一蹴されて終わる。
なのに、こうして普通に話しているときによくこうして笑うから。
何がゆづくんを笑顔にさせてるのか、
未だにわからずにいた。
「……」
なんかでも、こうやって一緒に過ごせば過ごすほど
私ばっかりが好きなんじゃないかって
不安になる。
考えてみたらゆづくんから『好き』って言われたこと、ないし。
付き合ったときだって、半ば『察しろ』オーラ全開だったし。