あずゆづ。2
ゆづくんは私を見てため息をついた。
「お前、自分の立場わかってんのか」
「わかってるよお」
「なんでそんなニヤけてられんだよ」
神経疑うわ、と、目を細めて言うゆづくん。
けど私は、そんなゆづくんに笑顔で返した。
「だってゆづくんと久しぶりに一緒に帰れるんだもん!」
つい嬉しくて…と続けると、ゆづくんがぐいっと私の腕を引っ張った。
「…選べよ」
「ほえ?」
聞き返せば、もうすっかり見慣れた鬼の形相がこちらを睨む。
「だからどれがいいのか選べっつってんだよ早よしろやカス!!!」
「!! ありがとうっ!!」
言葉だけ聞けば乱暴だけど。
今は何を言われても笑って流せるよ。
「つーかまた太るんじゃねーの」
「え?」