あずゆづ。2
それから私たちはスーパーで買い物をした。
今日の夜ご飯はカレーにするってゆづくんが言ってた。
「よーし私頑張る!」
そう言って腕まくりしたらゆづくんが私をじーっと見てきて。
「お前料理できんの」
ぽかんとして聞くから。
「でででできるよ!!!」
「じゃあなんだよこれは」
ゆづくんはそう言って、買い物かごから『コレ』を取り出した。
「あ」
それは私がそっと入れた料理本。
「や、その…これからは私がゆづくんのお弁当をですねその…」
目を細めて、そーかよと言ったゆづくんは
その料理本をかごに戻してくれた。
「…ちなみに、包丁は握ったことないけど大丈夫だよね」
「お前ぜってえ台所来んなよ」
ぼそっと呟いた言葉はしっかり聞こえていたようだった。