あずゆづ。2
「あ、待て」
「お!?」
そんな私の肩を後ろから引っ張るゆづくん。
そのまま、ソファのすぐ近くのカーテンを荒く閉めた。
一瞬部屋が暗くなるも、すぐに電気がつけられる。
「……」
カーテンの向こうを少し睨んでから、ゆづくんは台所に戻った。
「…ゆづくん……」
なんか、はしゃいじゃってバカみたいだな、私。
ゆづくんはこうして必死で私のこと
守ろうとしてくれてるっていうのに。
…私、ゆづくんに迷惑かけちゃってるんだよなあ…。
しゅんと肩を落として、ソファに座ると。
程なくして、トントントン…と野菜が切られていく音が部屋に響いた。
「……」
体を反転させれば、慣れた手つきで野菜を切っているゆづくんの姿。