いじめっ子には愛の鉄槌を






あたしは淳太君の帰りに怯えていたが……

結局、淳太君は帰ってくることがなかった。

女のところにでもいるのだろうか。

女のところから帰ってこなかったらいいのに。

そんなことを考えて、ようやく明け方に眠りがついて……

そして数時間後、けたたましく鳴るアラームですぐに目が覚めた。






時計を見ると八時を指している。




やばい!

入社式だというのに遅刻!?




慌てて顔を洗い歯を磨き、テキトーに髪を束ねてスーツを着る。

その間にもアラームは数分間隔で鳴り続けていて、アラームが鳴るたびにビクッと飛び上がるあたし。

アラームが淳太君の部屋から聞こえてくるのは疑いがない。

きっと、淳太君はアラームをセットしたまま家を出て行ってしまったんだ。


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