いじめっ子には愛の鉄槌を
11. いじめっ子と別れの挨拶
そして、夜七時……
あたしたちは、淳太君の送別会を行うために居酒屋にいた。
下座でせっせと給事をする下僕のようなあたしは、上座で上司に囲まれて頑張れよと言われ続ける淳太君が気になって仕方がない。
出来ることなら、あたしも淳太君の近くに行きたい。
少しだけでも同じ時間を共有したい。
そんな願いは叶うはずもなく、空いたグラスや皿を集めていた。
「桃華ちゃん!
新人だからって、そんなことしなくてもいいよ」
見かねた鮎川さんが優しい言葉をかけてくれる。
だけど、
「大丈夫です。
動いていると、気も紛れますから」
あたしは苦笑いをして告げる。