いじめっ子には愛の鉄槌を




赤木さんの気持ちはありがたいが、正直赤木さんがいると会話に困る。

鮎川さんたちと他愛のない話をしたかったのだが。

あたしたちの空気なんて考えず、ほろ酔いの赤木さんはマシンガントークを繰り広げた。





「僕は学生時代にドラムをしていてね、君のお父さんは天才だと思った」





鮎川さんをはじめ、数人の先輩が吹き出しそうになる。

あたしのお父さんの話より、赤木さんがドラムをやっていたという衝撃的事実のためだろう。

苦笑いするあたしに、赤木さんは尚も続ける。





「君は玄と新沢咲良を両親に持ち、そっちの道には行かなったのか?」



「はい……あんまり目立つことは好きではなくて」



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