いじめっ子には愛の鉄槌を
その声が聞こえた瞬間、涙が頰を流れ落ちた。
アルコールのせいもあるのだろう、今まで溢れる感情をせき止めていたストッパーが外れたようで、次から次へと涙が溢れてくる。
淳太君がこうやって、あたしを守ってくれることはもうないんだ。
守ってくれるどころか、その声すら聞こえないんだ。
家に帰っても真っ暗で、「のび華」なんて嬉しそうに呼んでくれる人もいないんだ。
あんなに大嫌いだったのに、今はこうも淳太君に溺れている。
運命は残酷だ、やっとこの気持ちと向き合えると思ったのに、淳太君と離れ離れにさせるのだから。