いじめっ子には愛の鉄槌を






その声が聞こえた瞬間、涙が頰を流れ落ちた。

アルコールのせいもあるのだろう、今まで溢れる感情をせき止めていたストッパーが外れたようで、次から次へと涙が溢れてくる。





淳太君がこうやって、あたしを守ってくれることはもうないんだ。

守ってくれるどころか、その声すら聞こえないんだ。

家に帰っても真っ暗で、「のび華」なんて嬉しそうに呼んでくれる人もいないんだ。

あんなに大嫌いだったのに、今はこうも淳太君に溺れている。

運命は残酷だ、やっとこの気持ちと向き合えると思ったのに、淳太君と離れ離れにさせるのだから。



< 219 / 239 >

この作品をシェア

pagetop