いじめっ子には愛の鉄槌を



アラーム、消したほうがいいよね。

うるさすぎて近所迷惑だ。



だけど……



「お互いの部屋には勝手に入らない」



淳太君の言葉を思い出す。

同居生活早々規則を破るのはいけない。

淳太君がしていることだから、あたしには関係ない。

自分にそう言い聞かせ、鞄をかけた時……

再び大音量で鳴り始めるアラーム。

思わず耳を塞ぎたくなるこの不快なアラームは、隣の家にももちろん響いている訳で……



ドンッ!!



苛ついたように壁を叩かれる。

だからあたしは仕方なく、恐る恐る淳太君の部屋の扉を開けていた。





暗い室内に光が差し込み……

その部屋の中が明るくなる。


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