いじめっ子には愛の鉄槌を
外はしとしと雨が降っていた。
まるで、あたしの心のようだった。
その中を淳太君が傘を差し、あたしの肩を抱いたままゆっくり歩いた。
淳太君の触れた部分が焼けるように熱い。
ふわりと香る淳太君のにおいが鼻腔を刺激する。
胸が甘くときめくのに、張り裂けそうな悲鳴を上げている。
そして、おかしくなりそうな鼓動を感じながら、俯いて歩いた。
淳太君と歩くのも、これが最初で最後だろう。
そう思うと涙はとどまることを知らず、どんどん溢れてくるのだった。