いじめっ子には愛の鉄槌を
12. いじめっ子と新たな生活
「行ってくるな」
空港の出発ロビーの前で、淳太君があたしに言う。
ピシッとスーツを着て、ビジネスバッグを腕に抱えて。
そんな淳太君に笑顔で告げる。
「行ってらっしゃい!」
もう泣かないと決めた。
泣くと淳太君の負担になるし……
何より、淳太君の言葉を信じているから。
三年後、きっと淳太君はあたしを迎えに来てくれる。
その言葉に根拠も何もなかったが、あたしは淳太君を信じている。