いじめっ子には愛の鉄槌を
開かれた古い携帯の画面の向こうで、女性が笑っていた。
茶色いさらさらの髪をした、綺麗な女性が。
慌ててアラームを消し、携帯を閉じたあたしの胸はドキドキが止まらない。
分かっていたけど淳太君、彼女がいるんだ。
それも、あたしよりもずっとずっと綺麗な女の人。
淳太君なんて好きなはずないのに、むしろ嫌いなのに、胸の奥がずきんとした。
きっと、敗北感からだ。
淳太君はイケイケイケメン街道を突っ走っているのに、あたしはまだのび華のまま。