いじめっ子には愛の鉄槌を
「おい、お前ら何してんだ!?」
その声にどきんとした。
振り返ると、そこに彼が立っていた。
サッカーボールを抱え、不敵に笑いながら。
「げっ。お邪魔虫柊が来た!」
「今日こそは柊だって……」
お兄ちゃんたちは一斉に彼に飛びかかるが……
柊君が思いっきりサッカーボールを蹴る。
それはお兄ちゃんたちを無様に吹っ飛ばし、
「おっ……覚えてろよ!」
悪役さながら彼らを退散させる。
まるで正義のヒーローだった。
あたしはそんな柊君が大好きだった。
ずっと……