いじめっ子には愛の鉄槌を
「ま、桃華なら一ヶ月で嫌になって帰ってくるだろうな。
いや、一週間か?」
そう笑うのは弟の斗真。
あたしは斗真を睨みながら言う。
「絶対嫌にならない!
あたしは帰らない!」
「マジか?
職場はウチからでも通える距離だろ」
「通えるけど、これからあたしはデビューするんだから!
ちゃんと恋して彼氏も作って、普通の女子になるんだから!!」
柊君のこともいい加減諦めないといけない。
奥さんが大好きで、もうすぐ子供だって生まれる柊君が、あたしに靡(なび)く可能性は0パーセントだ。
恋を忘れるには新たな恋だ。