いじめっ子には愛の鉄槌を
顔を上げ淳太君を睨み、キツイ言葉を吐き出す。
「あたしは淳太君みたいにチャラくないもん!
簡単にお持ち帰りされる女じゃない!」
そう言いながら思った。
お持ち帰りされなかったのは、怖かったから。
二十二歳にして恋愛経験ゼロのあたしは、淳太君の想像よりもずっと純粋で怖がりなんだから!
「ほぉ……のび華のくせに、生意気だ」
淳太君は口角を歪めて楽しそうにあたしを見る。
そのいじめっ子の視線に、逃げ出したくなる。
だけど、アルコールの入ったあたしは強かった。
まるで、蟻がカマキリに変身したように。