いじめっ子には愛の鉄槌を
こいつは確信犯だ。
あたしの恋路を邪魔するために、会議を入れたんだ。
だけどあたしは、淳太君の邪魔にも打ち勝ってやるんだから!
ふんっとそっぽを向き、昨日の英語の資料を引っ張り出す。
そしてまたがむしゃらに要訳しようとした。
そんなあたしの隣で、わざとらしく海外に電話をかけ始める淳太君。
今度はフランス語のようだ。
この人は英語だけでなく、フランス語まで話せるのか。
チャラいくせに、少なくとも三ヶ国語が話せるのか。
恐ろしい敗北感を感じた。
嫌いな人が自分よりも出来ることほど悔しいことはない。