きみいろ~そして二人は恋をする~

第二王子ルシウスが、謎の死を遂げたのだ。

暗殺を仕掛けたのは、北部離宮にいる后妃とその王子たち・・・?

根拠のない噂は、瞬く間に王国内に広がっていった。

カルロス10世は、犯人確保を最優先とし、下町のスラムや薬物を扱う工房に至るまで・・・。
様々な所に調査を指示した。敵組織の解明と捕縛に取り掛かろうとしたが、結局全ては判明しなかった。

そして皮肉なことに、この騒動が落ち着く頃には、王宮内で漂っていた不穏な空気が・・・。
見事なまでに収まりを見せ、貴族たちの騒動も治まりを見せたのだという。

度重なる心痛でマリア王妃はこの世を去り・・・。
カルロス10世の元には、リリア后妃と第3王子、そして王女のみでが残った。

しかし、王はリリア后妃を王妃としようとしなかった。

なによりもリリア后妃がそれを望んでいなかったからだ・・。

王妃の座は空位となった。

そして皮肉なことに、この状況が、再び騒動のきっかけを作ることとなる。
王の再婚を巡り、まことしなやかな噂が流れき始めたのである。
カルロス10世は、自身の再婚が新たな争いを生むことを懸念した。

そして、遂に王はある決断することとなる。

第三王子を復位させ、王太子に任命する―
そして、彼に政治を任せ、権限の一切を与える

といういうものであった。それは、第三王子18歳の頃の出来事であった。
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