きみいろ~そして二人は恋をする~
高水準な医療体制の中で、王子は身の危険を回避すべく、幼い頃より毒物を投与された。

王位継承権から離れていたとはいえ、第三王子も例外ではなかった。

そして、そのお陰で、数々の暗殺未遂を乗り切ってきたのだ。

そしてキエルは、その過程を全て見てきた者だ。

数々の知識や経験から導き出した答え・・。
それが、この答えだったのだ、

「解毒剤に反応はあるが効果は不十分。ということは殿下に使用されたモノは、単体ではなく、複数の物を組み合わせたもの。ただし、あの症状を見せるものは私も初めて目にします。可能な限り文献を洗い出し、調合方法を検討していますが・・・・時間が足りません。それに、この状態が続けば・・・。

―殿下身体が持たない!
犯人側にしてみれば、願ったり敵ったりという状況だ。

そして、犯人確保も優先だが・・。
今なすべきことは、目の前の消えそうな命を救うことでもあった。

「王宮には治療を施せる者は存在しません。そしてこの状況を打開できるのは、あの方しかいないでしょう。」
「あの方って・・・まさか!」
「左様です。・・・・・あの方を呼び戻すことを提案します!」
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