きみいろ~そして二人は恋をする~
殿下は王子。性別は男性のはずで、『容姿端麗で身長も高い』とも聞いている。
たぶんクラウスと同じ位ではないだろうか?
薬は身長と体重に合わせて調合するもの。
そして、個人微妙に違うところを計算して、調整して作るもの。
でも、レシピに記載された計算量は、何だかおかしい。
男性の平均的な体重で計算した数値と一致しない。
これは、女性の平均的な体重を基にして計算した数値だ。
もっと驚いたのは、レジン草という薬草が入っていたこと。
ココ草と同じく、女性のある特徴に対して、使うものだから・・・。
男性向けに使われることは滅多にない。
つまり・・・。
殿下=×男性
そんな構図がどうしても出来上がってしまうのだ。
(いやいや・・ありえないってば・・このレシピあってるのかしら・・・)
殿下=女性
頭に浮かんで、ぐるぐると回りだす。
王族であれば、秘密の一つや二つあっても不思議ではないけれど、これがが本当だったら、どうしよう・・。
治療に影響することだけは避けたいけれど・・・。
でも。性別がどうであろうと、やるべきことに変わりはない。
本当に怖いのは、自分のしたことで、何かが起きた場合のことだ。
ユリアは、そんな思いを一旦横に置き、気持ちを切り替え、レシピの修正を始めることにした。