きみいろ~そして二人は恋をする~
たった18歳の少女は、その身に抱えられないくらいの恐怖を持って生きている。

その身に掛かっている責任は、だれも変わることのないもので・・。
その仕事をしている限りずっと付きまとう物だろう・・・。

立場は違えど、二人は同じモノを背負っている。

だけど、それでもユリアは常に前を向いている。

諦めず、例え苦しくても、乗り越えようと足掻いている。

その先に、自分の道が続いていると・・・。
未来が続いていると、信じているからだろう・・・。


「いまさらですよ!クラウスさん。」

そんな、何気ない、小さな一言が・・・。

クラウスにとっては、地良い響きとなっていった。

心の中がちょっとづつ変わっていくような・・・。
本人もまだ自覚しないような、本当にごくごく小さな変化を起こし始めたのだった。


これは、一つの賭けだ。上手くいく保障なんて何処にもない。
だけど彼女は損得勘定抜きで、賭けに付き合ってくれている。

それだけでいい・・・。
少なくとも今は・・・・それだけでいい。

真夜中の闇の中、馬車は静かに王宮を目指す。

王宮まで、あと少し・・・。
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