きみいろ~そして二人は恋をする~
でも、逆に新しい悩みが生まれ始めているのも事実だった。
「・・・で、ユリアお嬢様、今日は何を悩んでるの?」
「シェラさん!?」
「いいじゃない。減るもんでもないし・・・。それに最近何だか悩んでるでしょ・・顔に出てる・・。」
「えっウソ・・。そんな顔に・・」
「ほら、やっぱり・・・」
また、カマをかけられた・・・。
シェラ姫とはいつもこんな感じだ。
彼女は小さな変化を見逃さない。
そしてそれはクラウスも同様だけれど・・・。
でもそんな二人の些細な言葉からも、ユリアを一人の友人として扱ってくれていることがよく分かる。
だからこそ、話してみてもいいかも・・と思えた。
「この国は、女性の働く環境と言うか・・・せっかく勉強しても、国の為に何かしたくても、できないというか・・・。私は王立の医学校を出ているわけじゃないけど・・・。でも結局は町医者程度で終わってしまうと言うか・・・上を目指すことはできないのかって・・・」
「それは、王立治療院の医官登用試験で女性の受験資格がないことと関係してる・・・?」
「・・・はい。」
ユリアは、ここ数日悩んでいたことを、ポツリポツリと呟いた。