きみいろ~そして二人は恋をする~
その一方で・・・。

クラウスとシェラは、国内のある場所を視察していた。

世の中は広い。そしてこの国の中は、日々変化していく。

部屋に閉じこもっていては、その世界を見ることも、触れることもできない。

北の離宮に移ってから、二人はより市民との距離が近くなり、お忍びで出かけては、その地にいる民とふれあい、そして市民の生活を見に行っていた。

10年前、次期国王の指名を巡り、国内はかなり乱れた。

二人が離宮に移った頃はひどい有様で、貴族による領地運営がままならない状況も見られた。
それによって、国民生活はかなり荒れたと言う。

特に二人のいた北部離宮付近の民の生活は貧窮していて、ひどい有様だった。

見えている世界が全てではなく、むしろ見えていない場所ほど、自主的に見なければ・・。
世界は分からないと言うことを・・・二人はあの頃に知ったと言う。
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