長男・長女の恋模様―真面目×真面目=?!?
成田空港で出国審査に向かう妹たちを見守り、無事に済ませてゲートをくぐるまで見送って。
飛行機が無事に飛び立ったのをスカイデッキから見届けて、車に戻り自宅に1度車を置きに帰る。

時間を確認して、自宅から最寄り駅へと向かい電車に乗り銀座へ移動。


約束の時間より10分前には到着。
いつも約束よりは15分前には着くようにするのだが、今日は前の予定もあり10分前になった。

すると待ち合わせの場所には既に悠斗さんが居た。
長身に薄茶の髪にアクアマリンの瞳の整った男性だから、周囲の人目を引いている。
主に、女性の……。

これから女性の視線を集める、綺麗なあの人の元へ行かなきゃならない。

頑張るって決めたでしょ!
私自身のためにも。

そう心を叱咤して、足を進めて向う。

すると顔を上げた悠斗さんは私に気付き、満面の笑みで出迎えてくれた。
大人カッコイイ、イケメンの笑顔の破壊!!
心拍数急上昇で、顔が暑くなりそう……。

「こんにちは、悠斗さん。お待たせしたようですみません」

なんとか、普段のようにそう言うと悠斗さんは微笑みながら答えてくれる。

「こんにちは、梨乃ちゃん。まだ約束の時間より早いんだから気にしないで。それより昨日の今日で来てくれてありがとう」
丁寧に言葉を返してくれるのは、昔から変わらない。

「いいえ、予定が空いてましたから」

そんな悠斗さんに、私はドキドキを隠すためにあえてさらりとそう答えた。

うぅ、どうしていいか分かんない。
顔が引き攣らないように頑張らないと。
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