長男・長女の恋模様―真面目×真面目=?!?
私は今日タイミングさえつためたら自分の気持ちを言って、振られる覚悟で来ていた。
すると、何だかデートみたいな雰囲気で……。
それならば、とにかく最初で最後の大好きな人とのデートを楽しむことに決めて今日は一緒に過ごしてきた。
私が告白するのは覚悟してたけど、告白される事は全く考えていなかった。
だから完全なる想定外の事態に思考が停止して、固まる私。
「梨乃ちゃん?」
あまりに固まって返事をしないから、不安そうな顔で覗き込んできた悠斗さん。
いつ見ても綺麗な顔してるよね。
ってそうじゃなくて!!
「えっと、お付き合いって悠斗さんが私の彼氏になるって事ですよね?」
おずおずと訊ねると、やっと口を開いた私にホッとした顔をすると悠斗さんは答えてくれる。
「それ以外にないでしょ?」
クスクスと笑いながら答えてくれた悠斗さんはその後、愛おしそうな顔をして私の頬を撫でてきた。
思わず驚いてたビクッと肩が跳ねる。
すると少し傷ついた様な顔をして触れていた手を引いてしまう。
やってしまった。
私は慌てて声を上げる。
「ごめんなさい、びっくりしただけで嫌な訳じゃないんです!こういう事に、慣れてなくって……」
恥ずかしくなりながら俯いて言うと、すぐ側から綺麗なテノールの声が柔らかくホッとした声で言った。
「そうか、良かった……」