長男・長女の恋模様―真面目×真面目=?!?

降り立ったエントランスには既に悠斗さんが待っていた。

「おはよう、梨乃。今日はまた一段と可愛いね」

そんな言葉と甘い微笑みを浮かべながら、肩を引き寄せられて頬にキスを落とされた。

ひぇぇぇぇ。恋愛初心者の私は、もう心臓バクバク。
甘い、彼氏の悠斗さんはどこまでも甘かった。

「じゃあ、可愛い梨乃を連れて早速出掛けようか?」

そう言って歩き出して向かった先は悠斗さんの車。

海外の有名なエンブレムが見えるスポーツセダン。
黒のボディーは綺麗だから、日々手入れしているのがわかる。

「さ、梨乃乗って?」

そう言って助手席のドアを開けてくれる。
スマートな振る舞いも様になるのはイケメンだから?
大人の余裕もある悠斗さんの行動に、私は赤面とドキドキが止まらない。
そうして乗り込んだ助手席は新鮮。
普段は自分の車で運転席だから、滅多に他人の運転する車に乗らない。
私が乗ったらちゃんとドアを閉めてくれる。

そうして悠斗さんも運転席に乗り込んだ。

「今日はどこに行くんですか?」

シートベルトを着けながら聞くと、悠斗さんはにこやかに答えてくれる。

「今日はドライブでちょっと遠出しようかと思って。梨乃は魚は好き?」

「わりと好きですね。元々好き嫌いはないですけど」

私の答えにホッとした顔をすると、悠斗さんが言った。

「じゃあ、今日は生しらす丼食べに江ノ島に行こう!あと梨乃の好きな水族館に行こう」

そう言ってくれた。
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