長男・長女の恋模様―真面目×真面目=?!?

「梨乃、こんな話してて今更だけど……」

そう言って、悠斗さんは私に向き合い手を握って伝えてくれた。

「梨乃、ずっと好きだった。この先もずっと好きだし、愛してるよ。僕と結婚してくれますか?」

そう暖かくも優しい声で、でも顔は緊張した真剣な面持ちで言ってくれた。

「はい。私でよれけばお願いします。私もずっと好きでした。この先もずっと大好きです」

にっこり答えると御両親の前にも関わらずぎゅーっと抱きしめられました。

「ありがとう。凄く嬉しい……」

悠斗さんはそう言った後、少し身体を離すとズボンのポケットから何やら小さな箱を取り出す。

「実は用意してたんだ。梨乃が答えてくれたら直ぐに着けたくて……。サイズは麻里花から聞いてたから」

悠斗さんは箱から取り出したシンプルな一粒ダイヤのプラチナリングを、私の左手薬指に通した。
キラキラと光るダイヤに思わず見蕩れてしまう。

「急な展開だったから、まさか指輪が出てくるとは思いませんでした……」

見蕩れつつも、この予想外の展開にびっくりしながら言う。

「梨乃は僕のだってちゃんと周りに知らしめないとね。だからマリッジリングを着けるまでは、これは外さないでね」

蕩けるような微笑みを浮かべてくれる悠斗さんに喜びが伝わるように、私から抱きついた。

「はい、ありがとうございます。すごく嬉しいです」

こうして交際2日目初デートにして相手の御両親へのご挨拶とともに、その場でプロポーズされたのでした。



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