長男・長女の恋模様―真面目×真面目=?!?
会社からも見えるデザイナーズマンション。
まさか、こんなオシャレな会社から近いところに住んでるとは思ってなかった。
「もう、いい歳だから二十代後半から一人暮らししてて。二年前にここが出来た時に会社から近いのを理由に、ここに越してきたんだよ」
そんな話をしつつ地下に車を停めると、そこにも住人用の出入口があるので、そこを悠斗さんはカードキーで開けて入るので私も続く。
エレベーターに乗り込むと悠斗さんは八階のボタンを押した。
このマンションは十階建て。
八階だと高い方だ。
エレベーターを降りて廊下の突き当たりの角部屋が悠斗さんの家だった。
入ると、そこはモノトーンでスタイリッシュな感じに統一された大人な空間が広がっていた。
我が家のナチュラルテイストとはまた違う。
そんな空間で、私は身の置き場に困りつつ外から見える夜景に見とれて佇んでいた。
「梨乃?疲れてるだろう、こっちに来てお茶にしよう」
リビングのガラステーブルの上には氷の入ったグラスがあった。
そちらに向かうと、すでにソファーに腰を下ろしてる悠斗さんは自分の座っている隣をポンポンと叩いて私を呼ぶ。
「ほら、こっちにおいで」
甘く柔らかな声と微笑みに、私はそちらに近づきちょこんとソファーに腰掛けた。